
11.07.11
シンガポールの繁栄に日本の戦略を思う
シンガポールの繁栄に日本の戦略を思う
2011.07.10 MICG 大上二三雄
<はじめに>
今回、シンガポールで開催された国際水週間に参加して、「アジアの商都」として繁栄する様をまざまざと見せつけられた。この繁栄は明確な国家戦略の結果である。対照的に日本の存在感や優先順位は、大きく低下している。国際水週間のJAPAN BUSINESS FORUMにおいて、英語下手を小馬鹿にしてシンガポールの政策を礼賛する日本人モデレータの存在は、象徴的でさえあった。
ここでは、対照的に国家戦略無きまま緩やかな劣化を続ける日本の戦略を、前提や状況は大きく異なる事は承知の上で、シンガポールと対比して考えてみた。
<シンガポールが成功した理由>
シンガポールは、有能なオーナー一族が統治する都市=国家=企業である。社会・経済システムに関しては、アングロサクソンベースのグローバル標準とほぼ完全な互換性を持つアジア唯一の都市=国家であり、ASEANの中心に位置する。そのような地政学的利点を最大限活かす為の戦略と実行力が、優秀な指導者と限界的国家の危機感を糧に、高付加価値三次産業が集積し繁栄する「アジアの商都」となった。
<シンガポールに対比して考える日本の戦略>
**本拠地としての日本をどう整備するか
これを見習うとすれば、日本の戦略として考えるべきはまず、拠点たり得る都市を中核とした地域戦略の推進。各都市の地政学的利点を活かす為の戦略を立案し、そしてその内容を実施する為の実行力が必要。
地域戦略を構築するためには、人材が必要。一般に地方には不足しているので、国レベルや海外から人材を購い、専門家として活用する。
実行力の鍵は、①危機感の醸成とインセンティブの用意、そして②既存組織の壁(国と自治体、省庁・部局間、官と民、企業間)を超える力、具体的にはリーダーシップとやる気のある人材を発掘しネットワークすること、である。
国は、このような地域戦略を後押しする事、そして地域間の優先順位を付ける事が役割。更には、国家レベルの選択と集中の促進も国の役割。例えば、過剰企業の再編や日本に一つ香港のような都市を作ること、国は選択と集中を促さなくてはならない。
**シンガポールをどう活用するか
また、アジアの商都でありグローバルとの互換性を持つシンガポールを、日本としてどう活用するかの戦略が必要。更には、東アジアの拠点としてシンガポールのような機能を持つ都市区域を日本において整備する事も、併せて重要である。
<終わりに>
福岡県とシンガポールを対比すると、2010年において人口約500万人、GDP18兆円はほぼ等しく、面積は約4900㎢:700㎢で約7倍である。現時点の地政学的な優位性や人材能力はシンガポールの方が高いが、潜在的な能力でみれば、東アジアというASEANより大規模な経済拠点の中心にあり、面積がはるかに広い福岡県のポテンシャルは、より高く評価されるべきである。
「Discover Our Potential」
我々のポテンシャルを信じ、前に向けて進んで行きましょう。


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